商品開発支援

「必ず大ヒット商品を開発するぞ!」
商品開発に取り組もうとする人ならば、大なり小なりそのように力が入ってしまうことでしょう。しかし、実際の商品開発ではそのような気持ちを抑え、既存商品を一歩前へ進めた”小ヒット商品”、つまり確実に”売れる商品”を狙うことが賢明です。
ここでは、ヒット商品開発を目指す人のために、商品の開発プロセスごとにその基本とポイントを説明していきましょう。
尚、この内容は、中小企業ビジネス支援ポータルサイト J-NET21 「製品・技術を開発する」→「飲食品でヒット商品をつくる」のページに詳細が掲載されています。

Step1 市場の状況を分析する

■自社のマーケティング活動の分析

自社の既存商品の販売促進活動や宣伝に投入した費用による成果、売上高や利益への効果などの内部データと、既存商品の市場シェアや自社商品と競合品との取扱店率などの外部データを調査します。自社商品の流通満足度や顧客満足度がどのようであるかをつかみましょう。

■顧客満足度調査の実施

消費者からの意見・要望・苦情には、商品に関する重要な課題が隠されています。カード会員情報や店頭でのスキャンパネル(POSシステムなどによる顧客の購買履歴調査)などを介して、消費者の反応を分析し、購買者の実態を把握します。

■市場データによるポジショニング

上述のマーケティング活動の分析や顧客満足度調査などから得られた情報を活用し、さまざまな指標を用いたポジショニングマップを作成します。例えば「機能と価格」「ユーザーの年齢と商品満足度」などを指標にして、自社商品と競合品とのポジションを明確にしてみましょう。

■新商品の検討課題の抽出

マーケティング活動分析、顧客満足度調査、ポジショニングからさまざまな課題が発生してくるでしょう。「商品アイテムの拡大」「新ニーズへの対応」「いままでにない新商品」など、「新商品開発」に関するテーマを抽出して、つぎのステップにつなげることが大切になります。

Step2 アイデアを発想する

第2ステップでは、第1ステップの市場状況分析から得られた商品開発テーマを基にアイデアを生み出します。そのポイントについて説明していきましょう。

■開発テーマ周辺の定性情報の収集(消費者を知る)

商品開発テーマ周辺の定性的な情報を得るためには、グループインタビューが手軽です。1グループ5名程度のグループを複数個つくり、商品開発テーマ周辺の事柄について自由に意見交換してもらいます。
そのほかパーソナルインタビュー(1対1で情報を収集するので、商品開発テーマをさらに掘り下げて分析したいときに実施)やモニター制度などを活用することも有効です。

■定性情報の読み込みと洞察

収集した情報について、商品開発テーマ周辺に関する部分を抽出してテキスト化し、それを読み解くことがつぎの作業になります。消費者の特 徴的な生活シーンの背景にある消費者の購買心理を洞察してパターン化し、同じカテゴリーと思われるものをまとめていきます。

■アイデアの発想

定性情報をまとめる段階で生まれたアイデアはストックしておきましょう。パターン化された定性情報と、市場状況の分析によって得られたキーワードに対してアイデアを発想していきます。いままでに得られた情報を基にアイデアを創造していきます。

■アイデアの絞り込み

発想されたアイデアを事業化するための方法としては、発想されたアイデアと市場の適合性や、アイデアと自社との適合性を評価します。外部環境、内部環境との評価を行うことにより、アイデアが絞り込まれることになります。

Step3 商品コンセプトを構築する

商品コンセプトは商品開発における最も重要な部分です。この商品はどのようなものか、誰が使うのか、どのようなシーンで使用されるのか、メリットは何かなどを言葉や絵で表現したものです。

■商品コンセプトの考え方

商品コンセプトを考える場合、「誰に」「何を」「どのように」とういう3つの要素で考えるとわかりやすくなります。

(1)誰に(ターゲット)どのような人に販売していくか
(2)何をどのようなニーズや欲求を満たすのか、どのような便益を与えるのか
(3)どのようにニーズや便益をどのような方法・技術で満たすの

■コンセプトシートの作成

上述の3つの要素を念頭に置きながら、コンセプトシートには、「アイデア名」「ベネフィット(主たる商品特徴)」「シーン(使用場面)」「その他の商品特徴」を記します。イラストなどを用いて商品をイメージしやすくしましょう。アイデアが複数ある場合にはそのすべてに対して作成します。

■商品コンセプトの評価・絞り込み

コンセプトの評価は社内および社外で実施します。そして評価を点数化することで、商品化するための試作に進めるかどうかの総合的な判断を下します。
(1)社内での評価
「中長期経営戦略との整合性」「生産の可能性」「自社技術開発の可能性」などが考えられます。
(2)想定するターゲット層での魅力度調査
インターネット調査やモニターの活用などにより想定ターゲット層を抽出し、それぞれの商品コンセプトの魅力度を測定します。商品コンセプトの魅力度を5段階程度に設定しましょう。

Step4 商品本体を開発、試作テストする

商品コンセプトが絞り込まれたら、それを”カタチ”にします。つまり商品本体の開発です。この段階に進めるためには、一般的には取締役会議などに諮られ、商品化を推進するか中断するかが決定されます。以下では、商品化が承認されたことを前提に話を進めましょう。

■商品本体の開発

商品開発において、自社で押さえておきたいコア技術以外は、協力企業など外部への委託も考慮しながら開発を進めましょう。協力企業を活用するメリットとしては、自社の投資リスクの回避、自社にない技術の活用、生産量変動への対応力強化、開発から商品化までのスピード化などがあります。

■原価の低減

競合他社への優位性を保つため、コストを低くすることは重要です。商品が提供する「機能」や「品質」とそのための「コスト」との関係を吟味し、この段階で原価低減に取り組むことが肝要と言えます。

■試作品テスト

商品本体の完成度を高めるため、試作テストを行い、”売れる商品”へブラッシュアップします。

まったく新しい商品でなければ、競合品と比較し、いかに差別化されているかの確認も必要です。想定ターゲットを抽出し、そのターゲットにテストすることで改良点を見つけ出し、改良点を社内で評価して試作品をつくり、ターゲットによるテストを繰り返して商品本体を完成へとつなげていきます。

Step5 パッケージングとネーミングを決める

商品本体を開発したら、つぎはパッケージングです。ここではパッケージングを検討する際のポイントを説明しましょう。また、並行してどのような手順でネーミングしていくのかを説明しましょう。

■パッケージングの要点

(1)商品の利便性、安全性
想定されるターゲットがどのようなシーンでその商品を食べるのかを前提に、そのシーンに最もフィットした容器を検討します。また、流通段階では安全に運べ、消費者の保管にも適したパッケージを検討することが重要です。
(2)パッケージデザイン
小売業での商品陳列では、消費者から注目され、良い印象を与えて購入してもらえるパッケージデザインが求められます。また、誰もが使いやすいユニバーサルデザインについても検討します。

■容器・包装での商品価値向上

一般的に容器・包装の開発をすべて自社で行う企業は少ないものです。容器、資材の業者やデザイナーなどのパートナーと連携してパッケージングの開発を進めて、商品開発のレベルを高めます。
容器・包装で商品価値を高めるためには以下のような要素が条件となります。
(1)基本的な必要条件(中身が変質しない、汚れない、表示が見やすい、内容を誤解しないなど)
(2)利便性条件(持ちやすい、開けやすい、重ねやすい、保管しやすい、リサイクルしやすいなど)
(3)嗜好性条件(きれい、かわいい、すっきりしている、自分にふさわしいなど)

■ネーミング

ネーミングの原点は商品コンセプトです。商品コンセプトからイメージされるキーワードを組み合わせたり、表現を替えたり、ひねったりしながらネーミングを考えます。商品名につけられるキャッチフレーズなどもこの段階で考えます。関連法規をよく理解し、法律違反にならないよう細心の注意を払う必要があります。

Step6 価格を設定する

価格設定は商品開発の戦略で重要なポイントです。販売価格を決める場合、「コスト」「需要のレベル」「競合品の状況」という3つの点を考慮します。

■コストを重視した価格設定

競争がなく、ある程度の需要が明確に見込まれる場合は、製造コストに対して一定の利益率を上乗せして販売価格を決める方法(マークアップ方式)を取ることができますが、設定価格と市場で受け入れられる価格との間にギャップが生じた場合、売上目標の達成が困難になると考えられます。

■価格に対するターゲットの反応

Step4の試作品テストの際、4つ程の短い質問をし、その結果をグラフ化することで以下の3つの価格が得られます。

(1)上限価格 (これより高いと購入を拒否する人が激増する価格)
(2)下限価格 (これより安いと品質不安が激増する価格)
(3)認識価格 (ターゲットがほぼ妥当だと認識した価格)

■戦略的な価格設定

上述の3つの価格を考慮しながら戦略的な価格設定を行います。
(1)スキミング・プライス(上澄み吸収価格)戦略
上限価格に近い高価格を設定する戦略です。目的は早い段階での投資コストの回収です。その企業がマーケットリーダーであり、製品の需要と価格とにあまり関係のないことが採用の前提となります。
(2)ベネトレーション・プライス(浸透価格)戦略
下限価格に近い低価格を設定する戦略です。目的はマーケットシェアを拡大することです。競争の厳しいマーケットで自社の市場支配力がなく、製品の需要が価格に左右される場合に採用されます。

Step7 チャネル戦略を構築する

チャネル戦略の目標とは、ターゲット層の顧客が商品を購入したいときにすぐ買える状況にしておくことです。チャネルのタイプと小売業の業態を組み合わせて理想的なチャネル戦略を構築します。

■直接取引

直接取引は、メーカーが消費者に商品を直接販売するため、メーカー、消費者がそれぞれに相手を探さなければなりません。近年はインターネットの普及によりネットショッピングなどがメーカーと消費者をつなぐことにより大きな取引場が出現しています。しかしこの市場も急激に規模が大きくなり、多くの競合品の中に埋没してしまう危険も高くなっています。

■間接取引

最も一般的な消費財の取引形態は、メーカーと消費者の間に中間業者を経由させるものです。中間業者は卸売業と小売業に大別され、物流機能・品揃え機能、専門性、集客機能、情報提供機能など大きなメリットをメーカーと消費者に供給します。間接取引の場合、卸売業者と小売業者の双方を経由するパターンが一般的です。また、業界によっては2次卸売業者が入ることもあります。

Step8 プロモーション戦略を立てる

第8ステップはいよいよプロモーション戦略の段階です。プロモーションのための代表的な手段として広告宣伝、広報、販売促進などが挙げられます。プロモーション戦略で重要な点は、ターゲット層の顧客の状況を想定し、購買行動につながるようにプロモーション手段を最適に組み合わせることです。

■広告宣伝

商品知名度のアップを狙うには、ターゲット層を広くカバーできる「広告宣伝」が最も効果的だと認識されています。代表的な広告宣伝には以下のようなものがあります。

(1)マスコミ広告(マスコミ4媒体と呼ばれるテレビ・新聞・ラジオ・雑誌による広告)
(2)IT広告(インターネットやモバイルを介した広告)
IT広告の特徴はターゲティング性とインタラクティブ性にあります。
ターゲティング性とは、年齢・性別などによる属性、ユーザーの行動履歴、地域などによって、広告を配信する対象を細かく分けられる点を指します。
インタラクティブ性とは、ユーザーが能動的にアクションすることにより、従来のマスメディアではできなかった深いコミュニケーションを図れる点を指します。
IT広告は増加傾向を示しており、今後のプロモーション戦略の重要な手段となると思われます。
(3)交通広告(列車・バス、航空機・船舶など公共交通機関に掲出される広告)
通勤、通学や外出など生活動線上で生活者の視界に入るため、反復訴求を期待できる広告です。

■広報

広報とは、企業側から発信する商品情報を新聞や雑誌などの媒体に記事として取り上げてもらうことです。媒体に記事として取り上げるかどうかはメディア側が決めることになるため、事実に基づいた商品情報を正確にメディアに提供し、メディアに記事が掲載される前に広告宣伝をしない配慮しましょう。
販売促進は、試し買い率と購入頻度の向上を目的に実施します。販売促進には、サンプル配布、陳列、展示会への出品、実演販売、販売店の援助、販売員の派遣、消費者教育、消費者の組織化、クーポン特売などがあります。

■販売促進

販売促進には、実演用キット、陳列機材、POP、店頭用ビデオなどの制作が必要となりますが、通常は専門業者などに外注します。
商品の知名度を高めるためのプロモーションについては、予算や人的販売(営業マンによるコミュニケーション活動)を勘案しながら、ターゲットとする顧客に新商品をいかに効果的に訴求させるか考え、各種の手段を組み合わせていきましょう。

 

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